「報・連・相」は仕事の時に必要なだけでなく、夫婦間でも活用できるものです
それは、家庭や夫婦仲を円滑にしてくれます
「報・連・相」を巡って夫婦の揉め事が起きる背景には何があるのか、「報・連・相」が不足すると、何が起きるのか、を自分の中で整理すると未来は変わるでしょう
この記事に出てくる夫婦は、以下の条件の方をイメージしています
- 年齢層は、20~40歳代
- 共働きで子育て中の忙しい夫婦
- 夫婦のそれぞれ両親や兄弟は健在
- 仕事上の「報・連・相」と夫婦間「報・連・相」
- 両者の違いと共通点
- 夫婦間で「報・連・相」を巡って揉め事が起きる背景
- 夫婦間で「報・連・相」が必要な理由
- 「報・連・相」が不要なケース
- 「報・連・相」ができている夫婦の特徴
- 夫婦喧嘩と「報・連・相」の不足との関連性
仕事における「報・連・相」とは?
仕事のための報告、連絡、相談
会社組織の中では一般的なことです
しかし、自営業の方には馴染みが薄いと思いますので、念のため、「報・連・相」について、簡単にまとめてみました
仕事における報・連・相
- 報告とは
業務の進捗状況、問題点、結果・成果などを主に上司に伝えること
報告内容によっては、原因に対する要因解析、解決策・再発防止策、今後の進め方なども併せて伝えます
報告の手段は、メール、会議(含 Web会議)が一般的です
- 連絡とは
業務に関する情報を上司および関係者に伝えること
主にその内容を共有、確認してもらうために行います
連絡の手段は、メールや電話のほか、会議・ミィーティングでの口頭など、さまざまです
- 相談とは
業務遂行上、自分だけでは判断が難しいような時、進め方等について意見や助言を求めること
相談の手段は、会議(含 Web会議)での口頭が一般的です
夫婦間における「報・連・相」とは?
一方、夫婦間では仕事と違って、上司や部下の上下関係はありません
お互いが同僚や同期生のように対等です
夫婦間での報告、連絡、相談とその一例
夫婦間における報・連・相
- 報告とは
家庭内での重要なことや解決すべき問題の伝達、お互いの感情や考えの共有 など
(例)
来週は小学校で家庭訪問がある
そのため、長男の時は母親が、長女の時は父親が、それぞれ午後に仕事を休んで、担任と面談する分担で良いかどうか・・・
- 連絡とは
夫婦間でお互いに知っておいてもらいたいことの情報共有
(例)
夫が日帰り出張により、出張先から直帰することになっていた
そのため、夕方には最寄り駅に着く予定が、ダイヤの乱れにより、3時間遅れになり、子供の塾への送迎ができなくなった
- 相談とは
相手の意見や助言を求め、解決を導くためのコミュニケーション
(例)
食費や生活雑貨のほか、光熱費の値上げラッシュにより、家計を逼迫している
従って、現状に対して何の支出をどれくらい削るのかについて、すり合わせる
仕事上と夫婦間での「報・連・相」の違いと共通点
共通点と違い
仕事上の 「報・連・相」 | 「報・連・相」 | 夫婦間の|
目的 | 業務の効率化、問題解決、 目標達成のための情報共有・意思 疎通 | 感情・考え方の共有 | 家庭生活の円滑な運営、相互理解、
目的意識 | 組織全体のパフォーマンス向上 やプロジェクトの成功を目指す | 保つことを重視 | 夫婦の絆を深め、家庭内の調和を
内容 | ・進捗・問題点の報告 ・必要情報の共有 ・意思決定、問題解決のための 助言を求める など | 況の伝達 ・予定の変更 ・家庭に関わる大問題の話し 合いなど | ・日常生活、考え、家庭内の状
ツール | 報告書、メール、Webツール など | など | 会話、チャットツール、メモ
実施頻度 | 定期的、問題発生時、進行状況 による | 頻繁、かつ、継続的 |
当事者の関係性 | ・上下関係 ・上位職制から下位職制への トップダウンか、その逆のボトムアップ |
- 正しく情報を伝える
- お互いの信頼を構築・維持する
- 問題や課題(困ったこと)の速やかな解決を目指す
仕事での「報・連・相」はさておき、
夫婦間での「報・連・相」に焦点を当てて見てみると、そこには人の感情や家族の事情が含まれます
また、家族の繋がりや調和を目的として(報・連・相を)行うのです
夫婦間の「報・連・相」は、家族のコミュニケーションのウェイトが高いため、頻繁に行われる点が特徴です
夫婦間で「報・連・相」を巡って揉め事が起こる理由とは?
揉め事が起こる背景
夫婦間で「報・連・相」が不十分なために揉め事や夫婦喧嘩が起こるのは、このような背景からです
- コミュニケーションが不足している
そもそも、「報・連・相しよう!」と言ってみても、それ以前に、夫婦間の会話が不足していると、当然、「報・連・相」も不足しがちになります
それは、互いに仕事や家事などに手一杯で、会話をすることさえままない状況にあるためです
- お互い相手に期待しているレベルが違う
例えば、「これは連絡すべき」と夫が思っていても、妻が、「それは伝えるほどのことではない」とか、「今のタイミングではない」と考えていると、その温度差により、夫婦喧嘩は起こります
- お互いの価値観が違う
これを言うと、最初から夫婦の相性が悪かったと思われがちですが、互いに重要視する点が異なることもあります
一例として、「食べる」ことに関しては、あまり気を遣わない、慎重にならない夫に対し、妻は健康に拘り、重要視していると、そこにコミュニケーションの不足が発生します
そのため、「報・連・相」を行うことの大切さは、大抵の人は分かっています
また、人それぞれ、自分なりに「報・連・相」を実行している筈です
それでなければ、恋人の段階で別れていてもおかしくありません
なぜ夫婦間で「報・連・相」が必要なのか?
夫婦間の信頼関係を築くため?
それでは、「報・連・相」が無いと、信頼関係を築くことはできないのでしょうか?
答えは、「No」です
「報・連・相」が無くても、2人のフィーリングだったり、許容性が高ければ、「報・連・相」が無い部分を互いにカバーし合うことができるでしょう
しかしながら、信頼関係が築きにくいとは言えるでしょう
なぜならば、「報・連・相」が無いことで、誤解が生じ、やがて、それが不安に繋がって、さらには信頼関係が極めて低い夫婦にさせるからです
お互いの役割分担を明確にするため
夫婦がお互い協力し合うという認識を持っていても、それぞれの置かれている環境は異なります
そのため、帰宅時間1つ取ってみても、夫もしくは妻が毎日同じ時間に帰宅できるとは限りません
スポーツのサッカーで言えば、選手は常に走り続け、ボールが動いている限り、一度たりとも同じ場所に立ち止まることはありません
そのため、それぞれが自分の役割を認識し、メンバーと意思の疎通を図りながら、パスが通ることを考えて得点を目指します
同じことが夫婦の日常生活においても言えるのです
ちょっとした事でも、ひと言を確実に伝えるだけで、夫婦間の分担が明確になります
ただし、イレギュラーな役割分担が継続されると、これはまた、別の問題が発生し、「報・連・相」のうちの「相談」が必要になってきます
夫婦間で「報・連・相」をしなくても良いケースとは?
それぞれのプライベートな趣味や自由時間
夫婦と言えども、お互いのプライベートに関することに「報・連・相」は不要と言えるでしょう(ただし、夫婦が一緒に映画を観に行くなど、夫婦のデートとして行動するものは除く)
家庭内の共有すべき場所、時間、お金などに関わってくることに関しては、「報・連・相」を行うという考えで良いと思います
また、そのスタンスで家庭を運営するということを夫婦がお互い理解できていれば、問題ありません
ここで大切なことは、必要以上にお互いを干渉せず、適度な距離感を保つことです
日常的な小さなこと
お互いに知る必要のないこと、相談や話し合う必要がないことは、「報・連・相」の対象外です
逆に、些細なことを頻繁に「報・連・相」すると、相手にとって負担になり過ぎ、夫婦仲が悪化する可能性があります
夫婦間で「報・連・相」ができている夫婦とできていない夫婦の違い
できている夫婦の特徴
- コミュニケーションがオープンに行われている
お互いに話しやすい雰囲気ができていて、家族のことや思っていることを当然のように言い合うことができる
- 感謝の念を忘れない
常に相手の立場に立って考え、行動しているので、感謝することを忘れない
- タイムリーに意思疎通を図っている
「報・連・相」には、時の旬が大切であり、タイミングを外さない
- 柔軟に対応しています
タイムリーな対応と重なる部分がありますが、何らかの変更に対して臨機応変にアクションを取ることができる
- 信頼し、さらに尊重し合っている
ある程度、夫婦の絆ができているので、信頼や信用があり、相手のことを尊重できる
- 将来に向けてのビジョンが共有できています
今後の家族、夫婦を中心に将来像を描き、2人はそれを共有できている
- 問題解決力が養われています
お互い協力し合う態勢ができているので、壁にぶつかっても乗り越える力がある
できていない夫婦の特徴
逆に、「報・連・相」ができていない夫婦の特徴は、先ほど挙げた「できている夫婦の特徴」が見られない状況になります
それに加えて、できていないが故に、日常の些細なことがきっかけで、夫婦喧嘩が起きやすくなります
また、さらにひどくなると、家族の中で大きなトラブルが発生することがあります
夫婦仲に亀裂が入ることもそのうちの1つです
夫婦喧嘩と「報・連・相」の関係
喧嘩の原因と「報・連・相」の不足の関連性
夫婦喧嘩の原因は、1にはお互いの価値観の違いがありますが、それ以外では、
- コミュニケーション不足
- それによる、誤解の発生や不満の蓄積、信頼関係の崩壊
- 問題解決の遅れ
- 相手への思いやりや理解の欠如
- 夫婦の役割分担の不明確
といった5点が考えられます
この5点は、まさに「報・連・相」の不足、不十分によるものでもあります
従って、夫婦喧嘩が起きているということは、「報・連・相」ができていないと解釈しても大筋間違いではありません
まとめ 夫婦間の報連相が結婚生活を円滑にする理由
- 「報・連・相」は、仕事でも夫婦の間でも活用されるが、目的、目的意識、内容などに違いがある
- 夫婦間で「報・連・相」を巡って揉める時は、コミュニケーション不足、相手への期待値、価値観の違いなどが背景にある
- 夫婦間での「報・連・相」は、信頼関係を構築したり、夫婦の役割分担を明確にする上で重要である
- ただし、お互いのプライベートや些細なことについては、「報・連・相」は不要
- 「報・連・相」ができている夫婦には、意思の疎通が取れており、自分たちの将来像が共有できており、問題が発生してもスピード感をもって解決できる力がある
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